MENU

ダイペネトレーション試験とは?目的や試験の流れを徹底解説!

当ページのリンクには広告が含まれています。
ダイペネトレーション試験の画像
出典元:日本ビジネスロジスティクス株式会社

医療機器の包装は、無菌性を維持し、安全な状態で医療現場に届けるために非常に重要です。しかし、包装の密封性に問題があれば、外部からの細菌や異物の侵入を防げず、感染リスクが高まる可能性があります。

そこで活用されるのが『ダイペネトレーション試験』です。この試験では、包装のシール部分に染色液を用いて微細な隙間がないかを検証し、滅菌バリアの完全性を確認することができます。

本記事は、ダイペネトレーション試験の目的や必要なケース、試験の流れについて解説しました。

また、以下の記事では輸送包装試験を行う際におすすめの会社を紹介していますので、気になる方はぜひ一度チェックしてみるといいでしょう。

目次

ダイペネトレーション試験とは?

ダイペネトレーション試験とは、医療機器の包装やシール部分に微細な隙間や欠陥がないかを確認するための試験方法です。特に滅菌バリアシステムの品質を評価する際に重要であり、医療機器が輸送や保管中に外部からの汚染を受けないことを確認する目的で行われます。

試験では、包装のシール部分に色素溶液を塗布し、一定時間放置することで、染料が包装内部に浸透しないかを検証します。仮に染料が内部に浸透してしまう場合、その部分に微細な穴やシール不良があることが分かります。

ダイペネトレーション試験は、ISO 11607やASTM F1929などの国際基準に基づいて行われ、医療機器の安全性と無菌性を確保するために欠かせない試験のひとつです。

ダイペネトレーション試験の主な目的

ダイペネトレーション試験は、医療機器の包装に微細な隙間がないかを検査し、安全な滅菌環境を維持するために実施されます。ここからは、ダイペネトレーション試験の主な目的について解説します。

以下で詳しく解説します。

滅菌バリアのチェック

医療機器の包装は、外部からの細菌や異物の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。なぜなら、滅菌バリアが適切に機能していなければ、包装内部が汚染され、医療現場での感染リスクが高まってしまうからです。

ダイペネトレーション試験では、包装のシール部分に色素溶液を塗布し、液体が内部に浸透するかどうかを確認します。滲み出た染料があれば、シールに微細な穴や接着不良があることが分かります。

この試験を行うことで、滅菌バリアの完全性を確保し、医療機器の品質を維持することが可能です。

医療機器の安全性向上

医療機器は患者の健康を直接左右するため、その安全性を維持することが不可欠です。ダイペネトレーション試験を実施することで、包装の密封性が適切に保たれているかを確認し、輸送中や保管中の環境変化によるリスクを軽減できます。

特に、輸送時の振動や温度変化によって包装に影響が出る可能性があるため、事前に試験を行い、不良が発生しないことを証明することが重要です。

この試験を通じて、医療機器の品質管理が徹底され、現場で安心して使用できる製品が提供されます。

規制・基準に適合するための試験

医療機器の包装試験は、ISO 11607やASTM F1929などの国際基準に適合する必要があります。各国の規制機関は、滅菌バリアの完全性を証明する試験を義務付けており、適切な検査が行われないと市場での販売が認可されません。

ダイペネトレーション試験は、こうした基準に準拠するための重要な工程の一つです。適切な試験を実施し、記録を保持することで、規制要件を満たし、医療機器の安全な供給が可能となります。

ダイペネトレーション試験を通じて、企業は品質保証を強化し、信頼性の高い製品を市場に提供できます。

ダイペネトレーション試験が必要なケース

ダイペネトレーション試験は、医療機器の包装が適切に密封され、滅菌バリアとして機能しているかを確認するために実施されます。特に以下のケースで必要とされます。

まず、新しい包装材料やシール技術を採用した際、適切な密封が実現できているかを検証するために行われます。また、長期間の輸送や保管を想定する場合、包装が劣化していないかを確認する目的でも重要です。

さらに、医療機器の滅菌処理後、包装が外部からの汚染を防げているかを確認するために用いられています。

この試験を実施することで、医療機器の包装が規格に適合し、患者や医療従事者にとって安全な状態で提供されることを保証することが可能です。

ダイペネトレーション試験の流れ

ダイペネトレーション試験は、医療機器の包装が適切に密封されているかを確認するために行われる検査方法です。ここからは、実際の試験はどんな流れなのかを解説します。

以下で詳しく解説します。

試験サンプルの準備

まず、試験に使用する包装サンプルを準備します。サンプルは、実際に使用される包装材と同じ条件のものを選定し、シール部分に傷や汚れがないかを事前に確認します。

また、試験の精度を確保するために、複数のサンプルを用意し、結果の一貫性を評価することが重要です。試験サンプルは、滅菌済みまたは未滅菌の状態で準備されることが一般的であり、試験環境によって適切な取り扱いが求められます。

ダイインク(染色液)の準備

次に、ダイペネトレーション試験に使用するダイインク(染色液)を準備します。この染色液は、液体が包装のシール部分を通過した場合に、目視で識別しやすいように着色された液体です。通常、青や赤などのコントラストの高い色が使用されます。

さらに、染色液は特定の粘度や表面張力を持つように調整されており、試験基準に適合しているかを事前に確認することが必要です。

シール部分への塗布

ダイインクの準備が完了したら、シール部分に慎重に塗布します。塗布方法には、スポイトやピペットを使用して直接シール部分に染色液を滴下する方法や、シールを部分的に浸漬する方法などがあります。

試験の目的に応じて、適切な塗布方法を選択します。シール全体に均一に塗布されていることを確認し、試験の精度を高めることが重要です。

放置・浸透時間の管理

染色液を塗布した後、一定時間放置し、シール部分への浸透が起こるかを観察します。

通常、浸透時間は規格(ISO 11607やASTM F1929)に基づいて設定され、数秒から数分程度とされています。この間に、染色液がシール部分を通過していないかを慎重に確認し、試験の正確性を確保します。

放置時間が長すぎると誤判定の原因になるため、規定時間内で適切に管理することが重要です。

結果の確認(合否判定)

最後に、シール部分に染色液の漏れがないかを目視で確認し、試験結果を判定します。なぜなら、もしシールの外側に染色液が確認された場合、その包装は密封不良とみなされ、不適合と判断されてしまうからです。

試験結果は写真や記録として保存し、包装材の品質管理に活用されます。合格基準を満たしている場合、その包装は滅菌バリアを保持していると判断され、医療機器の安全な供給に貢献できるでしょう。

ダイペネトレーション試験で安全な医療機器包装を実現!

ダイペネトレーション試験を実施することで、医療機器の包装の安全性と品質を高めることが可能です。なぜなら、ダイペネトレーション試験で包装の密封性が確認され、細菌や異物の侵入を防ぐ滅菌バリアが適切に機能しているかを証明できるからです。

包装の不具合があると、医療機器の無菌性が失われ、感染リスクが高まります。ダイペネトレーション試験を定期的に実施し、製品の品質管理を徹底することで、医療機関に安全な製品を届けることが可能です。

また、ISO 11607やASTM F1929などの国際基準に適合するためにも、この試験は不可欠です。

確実な検査を行うことで、医療機器の信頼性を向上させ、より安全な治療環境を実現できます。

ダイペネトレーション試験を行うなら『日本ビジネスロジスティクス』

出典元:日本ビジネスロジスティクス株式会社
スクロールできます
項目詳細
会社名日本ビジネス ロジスティクス株式会社
所在地神奈川県横浜市神奈川区守屋町三丁目9番地 3号ビル2階
設立年1993年6月23日
公式サイトhttps://www.jbl.co.jp/

日本ビジネスロジスティクス株式会社は、1993年に設立され、2008年から安田倉庫グループの一員として、ITキッティング、物流ソリューション、包装ソリューションなど多岐にわたるサービスを提供しています。

特に医療機器の包装試験においては、ISO 11607-1規格に準拠した輸送シミュレーション試験や滅菌バリアシステムの完全性評価、加速劣化試験などをワンストップで対応し、年間300件以上のバリデーション実績を持っていることも強みです。

また、ASTM F88に従ったシール強さ試験も実施しており、医療機器包装の品質と安全性の確保に貢献しています。

医療機器の包装試験を検討されている方は、日本ビジネスロジスティクス株式会社の専門的なサービスをご活用いただくことをおすすめします。

まとめ

本記事では、ダイペネトレーション試験について解説しました。

ダイペネトレーション試験は、医療機器の包装に微細な隙間やシール不良がないかを確認するための重要な試験方法です。滅菌バリアの完全性を確保し、医療機器が輸送や保管中に外部からの汚染を受けないことを保証するために実施されます。

また、ISO 11607やASTM F1929などの国際基準に準拠し、規制要件を満たすためにも不可欠な試験です。

適切な試験を行うことで、医療機器の品質と安全性を向上させ、医療現場での信頼性を高めることができるでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次