医療機器の包装は、無菌性を維持し、安全な状態で供給するために欠かせません。しかし、密封不良があると、外部からの細菌や異物の侵入を許し、感染リスクが高まる可能性があります。
そこで重要なのが『バブルリーク試験』です。この試験では、水中で包装の漏れを確認し、滅菌バリアの完全性を評価します。国際基準にも準拠しており、品質保証の観点からも必要な検査です。
本記事は、バブルリーク試験の目的や適用例、試験の流れについて解説しました。
また、以下の記事では輸送包装試験を行う際におすすめの会社を紹介していますので、気になる方はぜひ一度チェックしてみるといいでしょう。
バブルリーク試験とは?

バブルリーク試験とは、医療機器の包装に微細な漏れがないかを確認するための試験方法です。包装の密封性が保たれていないと、滅菌バリアの効果が失われ、細菌や異物が侵入する可能性があります。
バブルリーク試験では、包装を水中に浸し、内部に圧縮空気を送り込むことで、気泡が発生するかどうかを確認します。もし気泡が見られた場合、その部分に微細な穴やシール不良があることが分かります。
ISO 11607やASTM F2096などの国際基準に基づいて実施され、医療機器の安全性を確保する上で重要な試験のひとつです。
バブルリーク試験の主な目的と適用例
バブルリーク試験は、医療機器の包装が適切に密封されているかを確認するための重要な試験です。ここからは、バブルリーク試験の主な目的と適用例について解説します。
以下で詳しく解説します。
滅菌バリアの確認
医療機器は無菌状態を維持する必要があり、そのため包装には滅菌バリアが求められます。バブルリーク試験では、包装内部に圧縮空気を注入し、水中で漏れの有無を確認することで、滅菌バリアが適切に機能しているかを検証することが可能です。
万が一、包装に微細な穴がある場合、そこから気泡が発生するため、滅菌バリアの欠陥を即座に特定できます。この試験を実施することで、医療現場で使用される機器の安全性を確保し、感染リスクを最小限に抑えることが可能です。
包装の密封不良の検出
医療機器の包装は、輸送や保管の過程で衝撃や温度変化の影響を受ける可能性があります。そのため、密封不良が生じていないかを確認することが重要です。
バブルリーク試験では、包装に微細な隙間がないかを検出し、シール部分や材質に問題がないかを評価します。特に、包装の接合部やシール部分に圧力をかけることで、不良がある箇所を明確に特定できます。
この試験を活用することで、包装工程の品質管理を強化し、安定した密封性を確保することが可能です。
規格適合と法規制の厳守
医療機器の包装には、国際規格や法規制に適合することが求められます。バブルリーク試験は、ISO 11607やASTM F2096などの規格に準拠した試験として広く活用されています。
各国の規制機関は、滅菌バリアの完全性を証明するために密封試験の実施を義務付けており、適切な試験が行われていない場合、市場での流通が制限される可能性があります。法規制を遵守し、安全な医療機器を提供するためにも、バブルリーク試験は欠かせない検査手法のひとつです。
バブルリーク試験が必要な医療機器包装とは?
バブルリーク試験は、特に滅菌が求められる医療機器の包装に必要とされます。例えば、外科用手術器具、インプラント、注射器、カテーテルなどの医療機器は、患者の体内に直接接触するため、包装の密封性が確保されていなければ感染リスクが高まってしまうからです。
また、滅菌処理が施された包装(例:滅菌バリアシステム)では、密封性が低下すると無菌環境を維持できなくなるため、バブルリーク試験の実施が不可欠です。さらに、輸送や保管時に湿度や温度変化の影響を受ける包装も、試験を行うことで漏れの有無を確認し、安全性を確保することが求められます。
バブルリーク試験が必要なケース

バブルリーク試験は、医療機器の包装に微細な漏れが生じる可能性がある状況で実施されます。新しい包装設計が採用された際や、新たな包装材料を使用する場合、密封性能が適切かどうかを評価するために試験を行うことが目的です。
また、長期間の輸送や保管により包装が劣化する可能性がある場合、密封性を維持できているかを確認する目的で適用されます。さらに、包装工程の品質管理の一環として定期的に試験を行うことで、製造段階でのシール不良や微細な破損を早期に発見し、医療機器の安全な供給を実現できます。
バブルリーク試験の流れ
バブルリーク試験は、医療機器の包装に密封不良がないかを確認するための工程を含んでいます。ここでは、実際の試験の具体的な流れについて解説します。
以下で詳しく解説します。
試験の準備(サンプルと試験装置のセットアップ)
バブルリーク試験を実施するには、適切な試験環境を整えることが重要です。まず、試験に使用する包装サンプルを準備し、試験機器のセットアップを行います。試験装置には、水槽や圧縮空気供給システムが含まれ、包装に一定の圧力をかけられるように調整します。
サンプルは、実際に使用される医療機器の包装と同じ条件で準備し、傷や汚れがないことを事前に確認することが大切です。試験の精度を高めるため、複数のサンプルを用意し、均一な試験環境で評価することが推奨されています。
試験開始(包装を水中に沈める)
試験の準備が整ったら、包装を水槽の中に慎重に沈めます。圧縮空気を包装内部に送り込み、包装の密封部分に圧力を加えます。この際、適切な空気圧がかかっているかを確認しながら、試験を実施します。
包装が完全に沈んだ状態であることを確認し、空気の流れを一定に保つことが重要です。水中での観察により、微細な穴や隙間がある場合には気泡が発生するため、不良の有無を判定しやすくなります。
密封不良の判定(気泡の有無を確認)
圧縮空気を包装内に送り込んだ後、包装のシール部分や接合部を観察します。もし気泡が発生した場合、その箇所には密封不良があると判断されてしまいます。気泡の発生位置や頻度によって、不良の程度を評価することが可能です。
特に、シール部分の小さな隙間は、肉眼では確認しづらいため、バブルリーク試験による検査が重要です。不良の原因を特定することで、製造工程や包装設計の見直しにも活用できます。
試験結果の合否
最後に、試験結果を基準と照らし合わせて合否を判定します。国際規格に基づいた評価基準に従い、試験対象の包装が適切な密封性を保持しているかを判断します。
不合格となった場合は、密封不良の原因を特定し、包装材料の変更やシール工程の見直しが必要になるでしょう。
試験結果は記録し、品質保証のための証明書類として活用することが可能です。適切な試験を実施し、医療機器の安全な供給を実現するためにも、バブルリーク試験の正確な評価が不可欠です。
バブルリーク試験を行うなら『日本ビジネスロジスティクス』
項目 | 詳細 |
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会社名 | 日本ビジネス ロジスティクス株式会社 |
所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区守屋町三丁目9番地 3号ビル2階 |
設立年 | 1993年6月23日 |
公式サイト | https://www.jbl.co.jp/ |
日本ビジネスロジスティクス株式会社は、包装試験や物流ソリューションを提供する専門企業です。特に医療機器の包装試験において、ISO 11607やASTM F2096に準拠した試験を実施し、滅菌バリアの完全性を検証しています。
バブルリーク試験やダイペネトレーション試験をはじめとする多様な評価手法を用い、輸送や保管中の安全性を確保するためのサポートを提供できることが強みです。
医療機器の包装試験を外部に委託したいと考えている企業にとって、日本ビジネスロジスティクスは信頼できるパートナーとなるでしょう。包装試験の専門的な支援を求めている方は、ぜひ相談を検討してみてください。
まとめ
本記事では、バブルリーク試験について解説しました。バブルリーク試験は、医療機器の包装が適切に密封されているかを確認し、滅菌バリアの完全性を確保するために重要な試験です。
包装の微細な漏れを視認できる方法として、水中に沈めた包装に圧縮空気を送り込み、気泡の発生有無を確認します。ISO 11607やASTM F2096といった国際基準にも適合し、法規制を遵守するためにも不可欠です。
適切な包装試験を実施し、医療機器の品質と安全性を高めることで、信頼性のある製品を提供できるでしょう。