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ISTA規格とは?細かく設定された試験内容を分かりやすく解説します

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海外市場に製品を展開する際、現地での輸送中に製品が破損するリスクは避けて通れません。そうしたトラブルを未然に防ぎ、製品の品質を確保するための指標として役割を果たすのがISTA規格です。

ISTA(International Safe Transit Association)規格は、輸送時の衝撃・振動・湿度などに製品が耐えられるかを評価するための国際的な試験基準で、多くのグローバル企業が採用しています。

この記事では、ISTA規格の概要からシリーズごとの試験内容、実際に試験を依頼できる国内企業までをわかりやすく解説します。「どの試験を参考にすべきか分からない」とお考えの方にとって、導入の一歩となる内容をお届けします。

目次

ISTA規格とは?

ISTA規格とは、製品が輸送中に受ける衝撃・振動・湿度・温度などの外的要因に対して、どの程度の耐性があるかを評価するための国際的な試験基準です。

正式名称は『International Safe Transit Association(国際安全輸送協会)』が策定した輸送包装試験の規格で、世界中の多くのメーカーや物流企業が採用しています。

特に、北米市場へ製品を輸出する際は、ISTA規格に準拠した包装試験の実施が求められるケースもあり、グローバル展開を目指す企業にとっては重要な品質管理指標のひとつです。

また、単に試験をパスすることが目的ではなく、適切な包装仕様を検証・設計する手段としても活用されており、製品保護とコスト最適化の両立にも貢献します。

ISTA規格の試験内容

ISTA規格は、製品とその包装が実際の輸送環境においてどのような影響を受けるかを検証するために、いくつかのシリーズに分かれた試験プロトコルを提供しています。ここでは、主要な1〜7シリーズの特徴を簡潔に解説します。

それぞれのシリーズは、試験の精度や再現性、対象となる輸送条件の範囲に応じて分類されており、製品の用途や市場に合わせて適切なシリーズを選定する必要があります。

ISTA 1シリーズ

ISTA 1シリーズは、製品や包装の初期設計段階で使用される、最も基本的な試験です。

主に振動、落下、衝撃といった簡易的なメカニカルテストを実施し、最低限の輸送耐性があるかを確認します。初期段階での問題点の洗い出しに有効です。

ISTA2シリーズ

ISTA 2シリーズでは、1シリーズの基本試験に加えて、温度や湿度、振動など実際の輸送中に起こり得る環境要因の一部を取り入れて検証します。

製品と包装材との相互作用、輸送ストレスによる影響をより現実的に評価することが可能です。

ISTA3シリーズ

ISTA 3シリーズは、実際の輸送シナリオを想定した、より高度な複合試験が特徴です。落下、圧縮、振動、温湿度などの要素を組み合わせ、総合的な輸送リスクを評価します。

特定の流通経路を想定していない汎用的な試験で、複数の市場や輸送手段に対応する設計検証に向いています。

ISTA4シリーズ

ISTA 4シリーズは、企業ごとの物流環境に合わせて、独自にハザードプロファイル(輸送中の危険要因)を設定できる拡張シミュレーションテストです。

標準化された試験ではカバーしきれない個別条件に対応できるため、より精密な包装性能評価が可能です。

ISTA6シリーズ

ISTA 6シリーズは、FedEx、Amazon、Sam’s Clubなどの大手小売・物流企業が独自に定めた輸送基準に準拠した試験です。

これらの企業に商品を納入する際には、指定された6シリーズの試験に合格する必要があり、納品条件のひとつとして機能しています。

ISTA7シリーズ

IISTA 7シリーズでは、包装された製品が温度変化の影響をどの程度受けるかを評価します。

特に食品・医薬品・化粧品など、温度に敏感な製品の品質保持に欠かせない試験で、保冷・保温性能の検証にも活用。WINTER/SUMMERそれぞれの温度プロファイルに基づき、時間経過にともなう温度変化を測定します。

おすすめの輸送・包装試験会社3選

ISTA規格に準拠した包装試験を実施するには、専門的な設備とノウハウを備えた信頼できる試験会社の選定が重要です。ここでは、国内で高い評価を得ている3社をご紹介します。

それぞれの企業が持つ試験体制や強みを把握し、自社の製品や輸送条件に合ったパートナーを選ぶ際の参考にしてください。

日本ビジネスロジスティクス株式会社

出典元:日本ビジネスロジスティクス株式会社
スクロールできます
項目詳細
会社名日本ビジネスロジスティクス株式会社
所在地神奈川県横浜市神奈川区守屋町三丁目9番地 3号ビル2階
設立年1993年6月23日
公式サイトhttps://www.jbl.co.jp/

日本ビジネスロジスティクス株式会社は、国内最大級のISTA認定試験所として年間100件以上の輸送試験を実施している実績を誇ります。

ISTA(International Safe Transit Association)に正式に認定された試験設備を備えており、国際基準に準拠した高品質な評価を提供しています。

初期相談から試験実施、結果報告まで一貫した対応が可能で、製品開発や改善のスピードアップにも貢献。輸送中の破損リスクを的確に洗い出したい企業にとって、信頼性の高い選択肢となるでしょう。

以下の記事では、日本ビジネスロジスティクスが対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

日通NECロジスティクス株式会社

出典元:日通NECロジスティクス株式会社
スクロールできます
項目詳細
商号日通NECロジスティクス株式会社
本社神奈川県川崎市中原区小杉町1-403 武蔵小杉STMビル
設立1972年2月28日
公式サイトhttps://www.nittsu-necl.co.jp/

日通NECロジスティクスは、日本通運とNECの合弁により設立された総合物流企業です。同社が提供する輸送包装試験では、振動・衝撃・圧縮・温湿度変化などを再現した実践的なテストが可能です。

最新の試験設備に加え、グローバルに展開する物流ネットワークを活かした視点から、国際輸送を見据えた試験設計を行える点が大きな特徴です。海外市場向け製品の評価や、実際の流通環境に即した検証を行いたい方は、試験依頼先の有力な候補となるでしょう。

以下の記事では、日通NECロジスティクスが対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

ロジスティード株式会社

出典元:ロジスティード株式会社
スクロールできます
項目詳細
商号ロジスティード株式会社
創業1950年2月
本社所在地東京都中央区京橋二丁目9番2号 ロジスティードビル
公式サイトhttps://www.logisteed.com/jp/

ロジスティード株式会社は、日立グループの物流ソリューション企業として、技術力と信頼性の高さに定評があります。振動試験、落下試験、圧縮試験など、さまざまな環境条件下における包装性能評価を実施しており、製品保護と輸送最適化の両立を支援します。

さらに、デジタル技術を活用した効率的な物流ソリューションの開発にも力を入れており、包装試験の結果を物流改善に活かす提案力も魅力です。包装評価だけでなく、物流全体の最適化を目指す企業におすすめです。

また、以下の記事では、ロジスティード株式会社が対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

まとめ

ISTA規格は、製品やその包装が輸送中にどのようなストレスを受けるかを評価するための国際的な試験基準です。輸送環境に応じた試験シリーズが複数用意されており、耐久性の確認から特定企業向けの基準まで、幅広いニーズに対応しています。

海外市場、特に北米への製品展開を検討している企業にとって、ISTA規格への準拠は重要な品質保証のひとつです。規格に対応した包装設計を行うことで、製品の破損リスクを低減し、信頼性の高い物流体制を築くことができます。

製品特性や出荷先に合わせて最適な試験シリーズを選定し、必要に応じて専門機関と連携しながら、輸送品質の向上に取り組んでいきましょう。

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