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傾斜衝撃試験とは?必要性や試験内容など基礎知識を解説

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製品輸送時の破損リスクを最小限に抑えるために、適切な衝撃試験の実施は欠かせません。中でも傾斜衝撃試験は、トラック等の輸送時に発生しうる製品の滑落や傾斜による衝撃を再現し、包装の強度や安全性を確認する重要な試験です。

製造業や品質管理に関わる技術者の方や、これから試験機の導入を検討している企業担当者の中には、

「そもそも傾斜衝撃試験はなぜ必要なのか?」

「自社製品にも適用すべきなのか?」

上記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、傾斜衝撃試験の基礎知識から具体的な試験方法、さらに実績のある試験会社の紹介まで、実務に役立つ情報を分かりやすく解説します。試験導入の判断材料として、ぜひご活用ください。

目次

傾斜衝撃試験とは

傾斜衝撃試験とは、主に大型の重量貨物を対象に、輸送中に発生する衝撃を再現・評価する試験方法です。具体的には、列車の連結時に発生する貨車同士の衝突や、トラックの急発進・急停止による前後方向の衝撃といった、水平方向の動的な衝撃を模擬するために行われます。

試験では、貨物を傾斜台の上に配置し、一定の角度から滑走させて衝撃面に衝突させることで、実際の輸送時に近い状況を人工的に再現。傾斜衝撃試験により、梱包形態や製品がどの程度の衝撃に耐えられるかを確認し、輸送中の破損リスクを事前に把握することができます。

傾斜衝撃試験の目的と必要性

傾斜衝撃試験は、輸送時の安全性と品質確保のために不可欠な評価手法です。以下のような目的で実施されます。

  • 列車連結時の貨車相互衝突や、トラックの急発進・急停止時に発生する水平方向の衝撃に対する耐性を評価する
  • 物流環境において発生し得る、横方向からの衝撃による荷崩れや損傷のリスクを再現する
  • 梱包された製品が輸送中にさらされる衝撃に対し、適切な強度・保護性能を持っているかをシミュレーションする

これらの評価を行うことで、過剰梱包の見直しやコスト削減、安全性向上につながる設計改善にも役立ちます。とくに輸出入を伴う長距離輸送や重量物の輸送においては、信頼性の高い試験結果が重要な判断材料となります。

利用される業界

傾斜衝撃試験は、以下のような業界や業種で広く利用されています。

  • 製造業:輸送中の製品破損防止のため
  • 物流・輸送業界:貨物の取り扱い品質の検証、輸送条件の設計
  • 包装・梱包設計企業:最適な梱包形態を設計するためのデータ取得
  • 大型機械・設備の輸出企業:海外輸送における強度確認とリスク評価

とくに近年では、グローバルな物流の増加に伴い、海外の輸送規格や試験基準への適合が求められる場面も多く、傾斜衝撃試験のニーズは高まっています。

傾斜衝撃試験の内容

傾斜衝撃試験では、輸送中に発生し得る水平方向の衝撃が製品や梱包資材に与える影響を検証します。具体的には、以下のような点を重点的に確認します。

  • 衝撃による包装材の破損状況(段ボールの潰れ、パレットの変形など)
  • 内容品への損傷の有無(割れ、変形、部品の脱落など)
  • 緩衝材の効果(衝撃吸収性能、製品への伝達荷重の緩和具合)

この試験を通じて、現在の梱包仕様が実際の輸送環境に耐えうるかを定量的に評価できるため、包装設計の見直しや改善につながります。また、製品の脆弱性をあらかじめ把握することで、破損リスクの軽減やクレーム対応の抑制にも寄与します。

傾斜衝撃試験の試験方法

傾斜衝撃試験の実施方法は、製品の形状やサイズ、試験会社の設備によって異なりますが、基本的な手順は共通しています。代表的な方法は以下の通りです。

  1. 試験体(梱包貨物)を滑走台の上に載せる
  2. 滑走台を、傾斜した2本のレールで構成された斜面に沿って滑走させる
  3. 滑走台が所定の距離を移動した後、終端に設置された衝撃板(または障壁)に衝突させる
  4. 衝突後の試験体の損傷状態や衝撃データを確認・記録する

試験の条件(滑走距離、傾斜角度、衝突速度など)は、対象製品や模擬したい輸送条件に応じて調整されます。また、試験はJIS(日本産業規格)やASTMなどの国際基準に準拠して実施される場合も多く、信頼性の高いデータ取得が可能です。

おすすめの輸送・包装試験会社3選

傾斜衝撃試験を自社で実施するのが難しい場合や、客観的なデータを取得したい場合は、専門の試験会社に依頼するのが有効な選択肢です。ここでは、実績・信頼性・技術力の観点から特におすすめできる試験会社を3社ご紹介します。

それぞれの企業が持つ試験体制や強みを把握し、自社の製や輸送条件に合ったパートナーを選ぶ際の参考にしてください。

日本ビジネスロジスティクス株式会社

出典元:日本ビジネスロジスティクス株式会社
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項目詳細
会社名日本ビジネスロジスティクス株式会社
所在地神奈川県横浜市神奈川区守屋町三丁目9番地 3号ビル2階
設立年1993年6月23日
公式サイトhttps://www.jbl.co.jp/

日本ビジネスロジスティクス株式会社では、パレタイズされた大型貨物の傾斜衝撃試験が実施可能です。試験設備はテーブルサイズが2000×2000mm、最大搭載重量450kgまで対応しており、大型重量物の試験にも十分な仕様となっています。

また、同社は国内最大級のISTA認定試験所であり、年間100件以上の輸送試験を実施するなど、業界内でも高い信頼を得ています。

経験豊富な技術者によるサポート体制も整っており、確実なデータ取得と評価が可能です。信頼性の高い試験を求める企業にとって、非常に有力なパートナーとなるでしょう。

以下の記事では、日本ビジネスロジスティクスが対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

日通NECロジスティクス 株式会社

出典元:日通NECロジスティクス株式会社
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項目詳細
商号日通NECロジスティクス株式会社
本社神奈川県川崎市中原区小杉町1-403 武蔵小杉STMビル
設立1972年2月28日
公式サイトhttps://www.nittsu-necl.co.jp/

日通NECロジスティクス株式会社は、日本通運とNECの合弁によって設立された総合物流企業であり、物流品質に関する高い技術力とノウハウを有しています。

同社の輸送包装試験サービスでは、振動・衝撃・圧縮・温湿度変化などの試験を網羅し、実際の輸送環境を忠実に再現した厳密な評価を実施。

さらに、グローバルな物流ネットワークと試験技術を融合した総合的アプローチにより、国内外の品質管理にも対応可能です。国際輸送を視野に入れた信頼性試験を検討している企業に適しています。

以下の記事では、日通NECロジスティクスが対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

ロジスティード 株式会社

出典元:ロジスティード株式会社
スクロールできます
項目詳細
商号ロジスティード株式会社
創業1950年2月
本社所在地東京都中央区京橋二丁目9番2号 ロジスティードビル
公式サイトhttps://www.logisteed.com/jp/

ロジスティード株式会社は、日立グループの物流ソリューション企業として、輸送試験から物流改善提案までをトータルで支援しています。さまざまな環境条件下における包装性能の評価を通じて、製品の輸送品質を高めるサポートを行っています。

さらに、日立グループの技術力を背景に、IoTやデジタル技術を活用した物流ソリューションの開発にも注力。単なる試験だけでなく、輸送効率や安全性の最適化にまで踏み込んだ支援が可能です。

物流全体の課題解決を目指す企業には心強いパートナーとなるでしょう。

また、以下の記事では、ロジスティード株式会社が対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

まとめ

傾斜衝撃試験は、輸送中に製品や梱包が受ける水平方向の衝撃を再現し、安全性や耐衝撃性を評価する重要な試験です。重量物や精密機器など、輸送時のリスクが高い製品を扱う企業にとっては、品質保証やクレーム削減、コスト最適化に直結する取り組みといえるでしょう。

自社製品が実際の物流環境に耐えられるかどうかを事前に検証することで、トラブルを未然に防ぎ、顧客満足度の向上にもつながります。

傾斜衝撃試験の導入を検討されている方は、自社の輸送実態に即した試験設計と、信頼できる試験パートナーの選定を意識して進めてみてください。

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