三菱電機ロジスティクスは、高い技術力と信頼性を誇る輸送試験会社として知られています。しかし、実際にどのような試験を行っているのか、また自社のニーズに合った試験会社なのかと悩むことも多いでしょう。
本記事では、三菱電機ロジスティクスの輸送試験について詳しく解説するとともに、輸送・包装試験会社を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
三菱電機ロジスティクスの輸送試験を検討する際の参考になるでしょう。
また、以下の記事では輸送包装試験を行う際におすすめの会社を紹介していますので、気になる方はぜひ一度チェックしてみるといいでしょう。
三菱電機ロジスティクスとは
項目 | 詳細 |
---|---|
商号 | 三菱電機ロジスティクス株式会社 |
設立年 | 昭和33年7月1日 |
本社所在地 | 東京都中野区中野四丁目10番1号 |
公式サイト | https://www.mdlogis.co.jp/ |
三菱電機ロジスティクスは、三菱電機グループの物流を一手に担う物流企業です。
その役割は、単に製品を運ぶだけに留まりません。高効率かつ高品質な物流サービスを提供し、製品が安全かつ迅速に顧客の元に届くようグループ全体を通して努めています。
国際的な輸送試験基準であるISTA(International Safe Transit Association)認定を受けており、その技術と設備は国際基準で認められています。
このような高い信頼性と実績を持つ三菱電機ロジスティクスは、製品の品質保持と効率的な物流を実現するための強力なパートナーとなるでしょう。
三菱電機ロジスティクスの輸送試験

三菱電機ロジスティクスは、製品が輸送中にどのようなストレスにさらされるかを詳細に分析し、適切な対策を講じるための輸送試験を実施しています。
製品の安全性と耐久性を確保するための落下試験や振動試験だけでなく、以下のような試験にも対応しています。
ここからは、それぞれの試験の詳細を見ていきましょう。
段ボール破裂試験
段ボール破裂試験の目的は、段ボールが十分な強度を持っているかどうかを評価することです。
具体的には、ライナーや中芯と段ボールの破裂強さを評価。また、使用されている段ボールが規定の材料を満たしているか、適切な品質であるかを確認します。
適切な強度の段ボールを使用することで、輸送中の製品破損を防ぎ、安全に顧客の元へ届けることが可能となります。
恒温恒湿室
恒温恒湿室は、包装材や製品が温湿度環境の変化にどの程度耐えられるかを評価するための重要な設備です。
主に、振動試験や圧縮試験などの前処理として試料の温湿度を一定に保つために使用され、前処理完了後に包装材の断熱効果や結露対策、湿度による劣化を確認・評価します。
三菱電機ロジスティクスでは、恒温恒湿室を活用して包装材や製品の耐久性を確保し、顧客に安心して利用していただける物流サービスを提供しています。
落下試験
三菱電機ロジスティクスがおこなう輸送試験のひとつに「落下試験」があります。落下試験は、製品が実際の輸送中に落下した際の衝撃に耐えられるかを確認する目的で実施されます。
たとえば、輸送中に荷物がトラックの荷台から落下したり、作業員の手から滑り落ちた場合など、現場で起こり得る事故などを想定して実施するのです。試験では、製品を一定の高さから落とし、梱包材の強度や内容物への影響を評価します。
落下試験を通じて、製品がどのような状況でも安全に届けられるよう、最適な梱包方法が検討できます。
振動試験
三菱電機ロジスティクスが実施する振動試験は、製品が輸送中に受ける衝撃や振動の影響を再現し、安全性や耐久性を確認する重要なプロセスです。実際の輸送環境に限りなく近い条件でおこなわれるため、精密機器や電子部品など、デリケートな製品の品質保証に大きく貢献します。
振動試験では、トラックの走行中に発生する上下・左右・前後の振動を人工的に再現し、梱包材や製品自体がどの程度の衝撃に耐えられるかを検証します。製品破損のリスクを事前に把握し、輸送方法や梱包仕様の最適化が可能です。
圧縮試験
三菱電機ロジスティクスが実施している圧縮試験は、製品の輸送中にかかる圧力に耐えられるかを確認する重要な工程です。荷物が積み重ねられることによって発生する垂直方向の荷重に対して、梱包材や製品自体がどのように影響を受けるのかを検証します。
圧縮試験では、実際の輸送環境を想定した条件下で、一定の圧力を加えることで耐久性や安全性を評価します。破損や変形のリスクを未然に防ぎ、輸送品質の向上ができるでしょう。
衝撃材試験
衝撃材試験は、輸送中に発生する衝撃や振動に対する製品の耐性を確認する重要な工程です。模擬的に衝撃を加えることで、包装材の性能や商品の保護状態を検証します。
最適な梱包方法の選定や改善が可能となり、輸送中の破損リスクを最小限に抑えられます。衝撃材試験を通じて、信頼性の高い物流品質が実現されており、製品を受け取るお客様に安心を提供できるでしょう。
静電気評価試験
静電気評価試験は、輸送中に発生する静電気が製品に与える影響を確認するもので、電子機器や精密部品にとって非常に重要です。特に、静電気による誤作動や部品破損を未然に防ぐための評価として位置付けられています。
実際の試験では、専用の試験装置を使って人工的に静電気を発生させ、製品に意図的に放電します。どの程度の耐性があるかを確認し、必要に応じて梱包方法や輸送環境を見直します。
結果として、顧客に安心して製品を届けるための品質保証体制が強化できるでしょう。
三菱電機ロジスティクスの輸送試験の特徴

三菱電機ロジスティクスの輸送試験は、製品の品質と安全性を確保するために高度な技術と設備を駆使しています。
ここからは、同社の輸送試験の特徴である以下2つを見ていきましょう。
それぞれ詳しく説明していきます。
ISTA認定を受けた技術力
三菱電機ロジスティクスは、国際的に認められた輸送試験基準であるISTA(International Safe Transit Association)の認定を受けています。
ISTA認定は、製品や包装材の耐久性を評価するための厳格な試験基準を提供しています。
上記の認定を受けることで、三菱電機ロジスティクスは高い技術力と信頼性を証明。
同社の技術者は、ISTAの基準に基づいた試験を実施するための専門知識を持ち、製品が輸送中に直面する可能性のある様々なリスクを評価・軽減するための最適な方法を提供しています。
様々なニーズに対応する包装技術センター
三菱電機ロジスティクスの包装技術センターは、顧客の多様なニーズに応えるための先進的な設備と専門知識を備えています。愛知県にある放送技術センターでは、製品の特性や輸送条件に応じたカスタマイズされた包装ソリューションを提供します。
落下衝撃試験機、振動試験機、圧縮試験機、緩衝材試験機、その他にも多岐にわたるニーズに対応出来る試験設備を保有。三菱電機ロジスティクスは、高度な技術力と豊富な試験サービスによって、顧客の製品を最適な状態で届けるため輸送試験を提供しています。
輸送・包装試験の規格は4種類

輸送・包装試験の規格は主に以下4種類です。
それぞれの違いを把握して、どの試験を受けるかの参考にしてみてください。
JIS
輸送・包装試験に関するJIS規格は、製品が輸送中や保管中に受けるさまざまな衝撃や振動、圧力に耐えられるかどうかを評価するための基準を定めたものです。製品の破損や品質の劣化を未然に防げます。
JISでは、落下試験や振動試験、圧縮試験など複数の試験方法が規定されており、それぞれの試験に対して細かな条件や手順が明記されています。試験結果の再現性や信頼性が高まり、製品の安全性を客観的に証明することが可能です。
また、JIS規格に準拠することで、国内外の取引先に対して一定の品質基準を示すことができ、信頼性の向上にもつながります。
ISO
輸送・包装試験において、ISO規格は国際的に統一された基準として広く採用されています。製品が輸送中に受ける衝撃や振動、圧力、湿度などの影響を客観的に評価することが可能です。
特にISO 2233やISO 2247などは、輸送環境を模した試験方法を定めており、製品や梱包材の性能確認に役立ちます。品質のばらつきを防ぎ、国や地域を問わず安定した輸送の実現が可能です。
また、ISO規格を活用することで、取引先や顧客に対する信頼性の証明にもつながります。製品の保護性能を数値で示せるため、企業間の共通理解が深まり、トラブルの未然防止にも貢献します。
ASTM
ASTM規格は、アメリカ材料試験協会(ASTM International)によって策定された国際的な標準規格です。包装や輸送に関する試験方法も数多く定められています。
ASTM規格は、製品が流通過程で受ける衝撃や振動、圧力、湿度などの影響をシミュレーションするのが目的です。特に、ASTM D4169やASTM D5276などは、輸送時の実環境を模した評価方法として広く採用されています。
包装材の性能や製品の安全性を事前に検証できます。ASTM規格に基づく試験は、国際的な信頼性を得やすく、製品輸出時の品質保証にも有効です。
包装設計の段階から試験を導入することで、無駄なコストの削減にもつながります。
ISTA
ISTA規格とは、製品が輸送中に受ける衝撃や振動、温度変化などに対して耐えられるかどうかを確認するための包装試験規格です。国際安全輸送協会(International Safe Transit Association)によって制定されており、国際的に広く利用されています。
ISTA規格では、輸送中に想定されるさまざまな状況を再現し、製品と梱包の強度や安全性を評価します。試験項目には落下試験、圧縮試験、振動試験などがあり、製品が実際の流通環境に耐えうるかを確認するのが目的です。
ISTAには複数のシリーズが存在し、輸送条件や製品の特性に応じて適切な試験方法が選ばれます。製品の破損リスクを最小限に抑え、クレームや返品の削減につながります。
輸送・包装試験会社を選ぶ際に押さえておきたい4つのポイント

輸送・包装試験会社を選ぶ際には、製品の安全性と品質を確保するために、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
ここからは、以下押えておきたい4つのポイント
それぞれを詳しく解説していきます。
実績や外部認定など信頼性のある輸送試験会社か見極める
まず、輸送・包装試験会社を選ぶ際には、その会社がどれだけの実績を持っているかを確認することが重要です。
長年の経験や多数の成功事例を持つ会社は、その分信頼性が高く、確かな技術を提供してくれるでしょう。
さらに、ISTA(International Safe Transit Association)などの国際的な認定を受けているかも確認することで、その会社の技術力と信頼性を判断する一助となります。
計画立案から試験、報告書作成までワンストップで対応できるか確認する
次に、試験会社が試験計画の立案から試験実施、報告書作成までワンストップで対応できるかどうかを確認しましょう。ワンストップサービスを提供する会社は、試験に必要な全てのプロセスを一貫して行うことができるため、効率的で一貫性のある対応が期待できます。
製品の特性に合わせた最適な包装設計から、試験の実施、そして結果の分析まで、全てを一括して依頼できる会社を選ぶことが、スムーズな試験プロセスを実現する鍵になります。
試験設備の種類や事例を確認する
最後に、その会社が提供する試験項目の種類や過去の試験事例を確認することも重要です。多様な試験項目を提供している会社は、製品が直面する可能性のある様々なリスクに対して包括的な評価を行えます。
また、過去の試験事例を見ることで、実際の試験内容や結果を確認でき、自社のニーズに合った試験が実施されるかどうかを判断する材料となります。
カスタマイズ試験を利用できるか
輸送・包装試験会社を選ぶ際には、カスタマイズ試験に対応しているかを確認することが重要です。商品によって形状や重量、素材が異なるため、汎用的な試験では実際の輸送環境を正確に再現できないケースがあります。
カスタマイズ試験を提供している会社であれば、自社の物流ルートや輸送手段、梱包形態に合わせた試験を実施でき、より実態に即した評価が可能です。破損や不具合のリスクを事前に把握し、必要な対策を講じられます。
また、製品特性や市場ニーズに応じた細かな条件設定ができる点も、カスタマイズ試験の大きなメリットです。コストは標準試験より高くなる場合もありますが、長期的に見れば信頼性やブランド価値の向上につながる投資といえるでしょう。
おすすめの輸送・包装試験会社3選

おすすめの輸送・包装試験会社は以下の3社です。
それぞれの特徴を把握して、どの輸送・包装試験会社が最適かの参考にしてみてください。
日本ビジネスロジスティクス株式会社
日本ビジネスロジスティクス株式会社は、輸送・包装試験において高い専門性を持つ企業です。製品の物流過程で発生する衝撃や振動、圧縮などのさまざまなストレスを再現し、実際の輸送環境を想定した厳密な試験を実施しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 日本ビジネスロジスティクス株式会社 |
所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区守屋町三丁目9番地 3号ビル2階 |
設立年 | 1993年6月23日 |
公式サイト | https://www.jbl.co.jp/ |
特に、JISやASTM、ISOなど国内外の規格に基づいた試験が可能で、製品の品質保証やクレーム対策にも効果的です。試験データをもとに最適な包装設計の提案もおこなっており、コスト削減と環境配慮を両立した物流戦略の構築をサポートしています。
高精度な評価と柔軟な対応力で、多様な業界から支持を集める同社は、信頼できる輸送・包装試験の実施先として非常におすすめです。輸送試験を行う際には、是非とも日本ビジネスロジスティクス株式会社を選択肢に加えてみてください。
以下の記事では、日本ビジネスロジスティクスが対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
もっと詳しく知りたい方は、公式サイトを御覧ください。
日通NECロジスティクス株式会社
日通NECロジスティクス株式会社が提供している輸送・包装試験は、製品の品質と安全性を守るための重要なサービスです。国内外への物流を見据えた実践的な試験をおこなっており、輸送時の振動や衝撃、温湿度など多様な環境条件を再現できます。
項目 | 詳細 |
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商号 | 日通NECロジスティクス株式会社 |
本社 | 神奈川県川崎市中原区小杉町1-403 武蔵小杉STMビル |
設立 | 1972年2月28日 |
公式サイト | https://www.nittsu-necl.co.jp/ |
製品が過酷な輸送環境でも問題なく届くかを事前に検証することが可能です。試験結果をもとに最適な包装設計の提案もおこなっており、無駄なコスト削減にも貢献します。
豊富な実績と専門知識を持つスタッフによる丁寧なサポートも魅力で、製造業を中心に多くの企業から信頼を集めています。
以下の記事では、日通NECロジスティクスが対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
ロジスティード株式会社
ロジスティード株式会社は、輸送・包装試験において高い信頼性を誇る企業です。多様な業界に対応した試験サービスを提供しており、製品が実際の輸送環境で受けるダメージを事前に検証できます。
項目 | 詳細 |
---|---|
商号 | ロジスティード株式会社 |
創業 | 1950年2月 |
本社所在地 | 東京都中央区京橋二丁目9番2号 ロジスティードビル |
公式サイト | https://www.logisteed.com/jp/ |
ロジスティード株式会社の試験では、国際規格に準拠した振動試験や落下試験、圧縮試験などを実施し、製品やパッケージの耐久性を科学的に評価します。輸送中のトラブルを未然に防ぐことが可能です。
また、最新の試験設備を活用した高精度なデータ取得が特徴で、開発段階から量産前の検証まで、幅広いニーズに対応できるのも強みです。経験豊富な技術者によるサポートも充実しており、最適な包装設計のアドバイスも受けられるため、製品の品質維持やコスト削減にもつながります。
また、以下の記事では、ロジスティード株式会社が対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
まとめ
三菱電機ロジスティクスは、高い技術力と信頼性を誇る輸送試験会社です。
ISTA認定を受けた設備と技術者が、製品の安全性と品質を確保するために、落下試験や振動試験、段ボール破裂試験、恒温恒湿室を活用した環境試験など、多岐にわたる試験を実施しています。
輸送・包装試験会社を選ぶ際には、実績や認定の有無、設計から試験までワンストップで対応できるかどうか、そして試験項目の種類や過去の事例を確認することが重要です。
これらのポイントを押さえることで、自社の製品を安全かつ高品質に保つための最適なパートナーが見つかります。