ASTM D4169は、主に米国で運用されている輸送試験の規格であり、多くの企業がこの基準に沿った試験を実施しています。そもそも日本の規格でないため、英語の規格書を読み解き、試験内容に関して理解する必要がありますが、簡単な作業ではありません。
そこで本記事では、ASTM D4169の基本情報から具体的な試験内容、輸送試験の重要性、さらには信頼できる試験会社の選び方まで詳しく解説します。初めて輸送試験を検討する方でも、この記事を読めばASTM D4169の必要性や適切な試験会社の選定方法が理解できるでしょう。
また、以下の記事では輸送包装試験を行う際におすすめの会社を紹介していますので、気になる方はぜひ一度チェックしてみてください。
ASTM D4169とは
ASTM D4169は、米国で長期間にわたり運用されてきた輸送試験規格のひとつであり、製品が輸送中に直面する様々なハザード要因に対して適切な試験を実施するための基準を提供します。
この規格は、輸送中の10種類のハザード要因を規定しており、実際の輸送環境に合わせた試験内容を構成しています。
具体的には、鉄道車両の連結による衝撃、トラックの振動、倉庫内の積み上げ圧縮を想定した試験が含まれており、現実の輸送過程で直面する可能性のある衝撃を検証する内容です。
また、保証レベルは3段階に分かれており、振動や落下などの、試験に応じた厳しさが設定されています。
これにより、製品の耐久性や信頼性を評価するための基準となり、特に国外での輸送中の安全性を確保するために非常に重要な規格となっています。
ASTM D4169主な3つの試験
ASTM D4169には、製品の輸送中に発生する可能性のある様々な状況を再現するための複数の試験が含まれています。
ASTM D4169で規定されている、主な3つの試験について解説します。
それぞれの試験内容を詳しく見ていきましょう。
傾斜衝撃試験
傾斜衝撃試験は、製品が輸送中に急激な傾斜による衝突、方向転換により受ける衝撃を再現する試験です。
これは、鉄道車両の連結や道路上の急なブレーキ操作など、実際の輸送環境でよく発生するシナリオを模倣したものです。この試験では、製品がどれほどの衝撃に耐えられるかを評価し、包装方法や緩衝材の適切性を確認します。
圧縮試験
圧縮試験は、製品が倉庫内や輸送中に他の荷物と積み重ねられた際に受ける圧力を再現する試験です。
この試験では、一定の圧力をかけて製品や梱包材がどれほどの耐圧性を持っているかを評価します。圧縮試験は、特に重量物や複数の荷物が一箇所に集中する状況を想定して行われ、積載方法の改善や包装材の選定に役立ちます。
振動試験
振動試験は、トラックや鉄道、航空機による輸送中に製品が受ける振動を再現する試験です。
この試験では、実際の輸送環境を想定した振動を加えることで、製品が輸送中の振動にどれほど耐えられるかを評価します。ASTM D4169においては、振動試験における強さ(Grms)が保証すべきレベル別で規定されています。
輸送試験が必要な理由
ASTM D4169など規格に沿った輸送試験は、製品が輸送中に直面する様々なリスクに対する耐久性を評価するために作られたものです。
ここでは、輸送試験が必要とされる主な理由について詳しく見ていきましょう。
それぞれ解説します。
包装材見直しによるコストを削減
規格に沿った輸送試験を行うことで、製品とその包装の耐久性を示すデータが取得できます。試験結果をもとに製品に最適な包装方法や設計を検討し、包装材を見直すことで、包装材にかかる費用だけでなく、製品破損の修理・返品対応などコスト削減が見込めます。
輸送試験により、製品が必要とする最低限の保護を提供しながら、無駄を省いた効率的な包装設計を確立しましょう。
衝撃を原因とした製品の破損や損傷の再現や対策
輸送中の衝撃や振動による製品の破損や損傷は、顧客満足度の低下や返品コストの増大を引き起こします。輸送試験を通じて、対策を講じることで、結果として企業としての信頼度は高くなるでしょう。
具体的な試験結果に基づいて、衝撃吸収材の選定や包装設計の改善を行うことで、製品の破損リスクの最小限に抑えられます。
輸送・包装試験会社を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイント
ここまで、ASTM D4169の概要や主要な試験内容、そして輸送試験の重要性について解説してきました。しかし、英語の規格書を解読し、自社製品に適した試験レベルを決定することは容易ではありません。
そこで、輸送試験は実績や経験のある試験会社を選ぶことが重要になります。
以下に、信頼できる輸送・包装試験会社を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントを見ていきましょう。
それぞれ解説していきます。
実績や認定の有無で信頼性を見極める
まず、試験会社の実績や認定を確認することが重要になります。豊富な経験を持つ会社は、多様な製品や輸送シナリオに対応してきた実績があり、信頼性が高いです。
また、第三者機関による認定を受けている試験会社は、試験の品質や信頼性が保証されています。ASTM D4169の規格に沿った試験を検討している場合は、過去にASTM D4169に沿って行った事例があるかは確認しておくとよいでしょう。
試験から設計まで一貫して対応できるか確認する
次に、試験計画の立案から試験実施、結果をもとにした包装設計の提案まで一貫して対応できる試験会社か確認しておきましょう。このような試験会社は、単に試験を行うだけでなく、試験結果に基づいて製品の包装設計や改善提案を行うサービスを提供しています。
こうした総合的なサポートがあることで、試験結果を最大限に活用し、より効果的な包装設計を導入することが可能になります。
対応可能な試験項目や種類をチェックする
最後に、試験会社が対応可能な試験項目や種類を確認することも重要です。
ASTM D4169には多くの試験項目があり、それぞれの試験に対応できる設備や技術が必要になります。企業の導入事例や試験内容を確認して、実際に問い合わせてみましょう。
また、最新の試験設備を備えている会社は、より精度の高い試験を行える可能性が高いため、合わせて確認することをお勧めします。
輸送試験を行うなら日本ビジネスロジスティクス株式会社がおすすめ
項目 | 詳細 |
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会社名 | 日本ビジネスロジスティクス株式会社 |
所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区守屋町三丁目9番地 3号ビル2階 |
設立年 | 1993年6月23日 |
公式サイト | https://www.jbl.co.jp/ |
ASTM D4169は米国の規格であり、その試験内容や自社製品に合わせた保証レベルを判断するのは容易ではありません。ASTM D4169に沿った輸送試験を検討している方には、日本ビジネスロジスティクス株式会社をおすすめします。
日本ビジネスロジスティクス株式会社は、ASTM D4169の多岐にわたる試験内容に対応しており、計画立案から試験実施、報告書作成まで一貫したサービスを提供。同社では、和文・英文両対応の報告書作成も可能であり、国際規格に基づいた試験結果を正確に把握できます。
また、包装設計の見直しにも対応しており、試験結果に基づいて最適な包装設計を提案することで、輸送中のリスクを最小限に抑えられます。
以下の記事では、日本ビジネスロジスティクスが対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、ASTM D4169の概要と主要な試験内容、輸送試験の必要性、信頼できる試験会社の選び方について解説しました。
ASTM D4169は、製品が輸送中に直面するリスクに対する耐久性を評価するための規格で、傾斜衝撃試験、圧縮試験、振動試験が含まれます。
これらの試験により、梱包方法の見直しによるコスト削減や製品破損リスクの低減が期待できます。輸送試験を適切に行うためには、実績や認定の有無、一貫した対応能力、対応可能な試験項目を確認することが重要です。
これにより、製品の安全性を確保し、物流におけるリスクを最小限に抑えられます。