貨物の輸送中に起こりうる様々な衝撃や振動による製品の損傷を防ぐためにも、JIS Z 0200の規定に基づく輸送試験は欠かせません。
JIS Z 0200は、変動の激しい物流状況に対応する目的、また2019年に改訂された国際規格ISO 4180と整合性を取る形で、2023年に改訂されています。これにより、国内外の物流環境に適応し、製品の品質と安全性をより確実に確保することが可能となりました。
特に、輸送試験に関する知識や経験が少ない企業にとっては、どのように試験を進めるべきか、どの会社に依頼すればよいのか悩むことが多いでしょう。
そこで本記事では、JIS Z 0200の概要と試験内容を詳しく紹介し、輸送試験の必要性や適切な試験会社の選び方についても解説します。輸送試験の重要性を理解し、適切なパートナーを見つけるためのガイドとしてお役立てください。
また、以下の記事では輸送包装試験を行う際におすすめの会社を紹介していますので、気になる方はぜひ一度チェックしてみるといいでしょう。
JIS Z 0200とは
JIS Z 0200「包装貨物－性能試験方法一般通則」は，包装貨物が流通過程において受ける振動，落下・衝撃及び圧縮に対する包装の保護性能が適正であるかどうかを，評価・確認するための試験方法と試験条件を規定したものである。
引用元：公益社団法人日本包装技術協会
公益法人包装技術協会が上記のように定めています。
規格の目的は、輸送中の貨物が受けるさまざまな物理的な影響から商品を守るために、適切な包装方法を確立することにあります。
JIS Z 0200に基づいた包装試験は製品の品質維持だけでなく、企業の信頼性向上にも寄与し、無駄なコストやトラブルを避けるための重要な手段です。
JIS Z 0200 主な3つの試験
JIS Z 0200規格では、包装貨物が輸送中に受けるさまざまな影響を評価するための試験が定められています。
主な試験は以下の3つです。
それぞれの試験の目的と方法について詳しく見ていきましょう。
落下試験
落下試験は、貨物の輸送、特に人による荷役作業時に誤って落下した際の衝撃に対する包装の耐久性を評価するための試験です。
この試験では、指定された高さから包装貨物を自由落下させ、その結果として生じるダメージを測定します。
| 重さ | レベル1 | レベル2 | レベル3 | レベル4 | 落下方向・回数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0〜10 | 1000 | 800 | 600 | 400 | 1角→３りょう→6面 |
| 10〜20 | 800 | 600 | 450 | 350 | 1角→３りょう→6面 |
| 20〜30 | 600 | 450 | 300 | 300 | 1角→３りょう→6面 |
| 30〜40 | 400 | 350 | 250 | 150 | 1角→３りょう→5面 |
規定に沿って試験を実施し、適切な評価を行う必要があります。
振動試験
振動試験は、貨物が輸送中に乗り物の振動によって受ける影響を評価するための試験です。この試験では、包装貨物を試験台に載せ、一定の周波数と振幅で振動を加えます。
振動試験の目的は、輸送中に発生する振動が包装にどのような影響を及ぼすかを確認し、振動による製品の破損や劣化を防ぐための対策を講じることです。
振動試験は、特に長距離輸送や悪路での輸送を考慮する場合に重要です。
圧縮試験
圧縮試験は、貨物が積み重ねられた際の圧力に対する包装の耐久性を評価するための試験です。この試験では、包装貨物に一定の圧力を加え、その反応を観察します。
圧縮試験の目的は、積み重ねや長期間の保管中に包装がどのように変形し、製品が損傷するリスクを評価することです。この試験により、適切な包装材の選定や構造の見直しを行い、輸送中の安全性を確保します。
輸送試験が必要な理由
ここからは、輸送試験が必要な理由について具体的に説明します。
それぞれの理由を詳しく解説していきます。
梱包見直しによるコストを削減
輸送試験を行うことで、梱包方法が実際の輸送条件下でどの程度の保護性能を発揮するかを数値で確認できます。
試験の結果に基づいて梱包方法を見直せば、過剰包装を避けつつ、必要最低限の資材で製品を安全に保護することが可能に。資材費用や輸送費用を削減し、全体の物流コストを抑えられます。
物流コストの削減は、製造業ならびに輸送に関わる業態であれば、改善すべき課題のひとつではないでしょうか。効率的な梱包は作業時間の短縮や労力の軽減にも寄与し、結果的に企業の競争力向上が期待できます。
衝撃を原因とした製品の破損や損傷の再現や対策
輸送試験を通じて、輸送中に製品が受ける衝撃条件をシミュレーションすることで、製品がどのような状況で破損するかを事前に把握できます。
試験結果をもとに、包装材の強度を高める、緩衝材を追加するなどの具体的な改善策を実施することで、製品の安全性を確保。製品の破損や損傷を未然に防ぎ、最終的に製品を利用するエンドユーザにも満足してもらえます。
輸送・包装試験会社を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイント
適切な輸送・包装試験会社を選ぶことは、製品の品質維持と安全な輸送を実現するために非常に重要です。
以下に、試験会社を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントについて詳しく説明します。
3つのポイントを詳しく見ていきましょう。
実績や認定の有無で信頼性を見極める
まず、試験会社の実績と認定の有無を確認することが重要です。長年の経験を持つ会社は、多くのケースに対応してきた実績があり、信頼性が高いといえます。
また、国際的な標準や業界標準に準拠した認定を取得しているかどうかも確認してください。例えば、ISO認定を受けている会社は、信頼性と技術力において優れていると判断できます。
試験から設計まで一貫して対応できるか確認する
輸送・包装試験だけでなく、試験結果に基づいて梱包設計や改善提案まで一貫して対応できる会社を選ぶことが理想です。
一貫したサービスを提供する会社は、問題発生時にも迅速に対応できるため、トータルでのコストや時間の節約にもつながります。
対応可能な試験項目や種類をチェックする
試験会社が対応できる試験項目や種類を確認することも重要です。
輸送試験には、落下試験、振動試験、圧縮試験などさまざまな種類があり、製品の特性や輸送条件に応じた試験が必要です。また、最新の試験設備を備えているか、試験結果を詳細に報告できるかなどもチェックポイントです。
輸送試験を行うなら日本ビジネスロジスティクス株式会社がおすすめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 日本ビジネスロジスティクス株式会社 |
| 所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区守屋町三丁目9番地 3号ビル2階 |
| 設立年 | 1993年6月23日 |
| 公式サイト | https://www.jbl.co.jp/ |
ここまで、JIS Z 0200の詳細とその試験内容について詳しく解説してきました。貨物の輸送試験が細かい規定に基づいて実施される必要があることをご理解いただけたと思います。
JIS Z 0200に対応した輸送試験会社を探している方には、日本ビジネスロジスティクス株式会社がおすすめです。同社は、試験計画の立案から実際の輸送試験の実施、そして試験終了後の詳細な試験報告書の作成まで、すべてをワンストップで対応してくれます。
JIS Z 0200に対応した輸送試験会社をお探しの方は、日本ビジネスロジスティクス株式会社に依頼することで、製品の品質と安全性を確保し、顧客満足度を高めることができるでしょう。
以下の記事では、日本ビジネスロジスティクスが対応している試験内容や会社の特徴などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、JIS Z 0200規格に基づく輸送試験の重要性について解説しました。
JIS Z 0200は、包装貨物が輸送中に受ける振動、落下・衝撃、圧縮などの物理的なストレスに対する保護性能を評価する試験方法と条件を規定しています。
この規格に従うことで、製品の破損を防ぎ、品質と安全性を確保することが可能です。輸送試験を適切に実施することで、企業の信頼性向上や顧客満足度の向上に寄与することが期待されます。
